第79回講座
4人に1人が高齢者、という高齢社会の今、高齢者に係る社会保障制度は制度の持続可能性のためにと、
さまざまな見直しが進められています。直近では高齢者の年金を賃金の低下に対応させる年金制度の変更、
介護保険でのサービス利用の負担を現役所得者並みの所得のある者に3割を課す動き、後期高齢者医療の
保険料も引き上げられそうです。高齢者が増えれば社会保障に必要な財源も膨らむ、保険料や利用料の負
担増は止むを得ないとも言えそうです。
ところで、「誰もが人生100歳を望むという前提は正しいでしょうか」の質問が発せられたそうです。
自民党『人生100年時代の社会保障へ』の提言に、修士課程で学ぶ女子学生がと報じられていました
(毎日新聞2016.11.21)。
思い起こせば2004年の年金制度改革は「100年安心プラン」を謳いました。高齢者に係る社会保障制度はお
およそのところ、「100歳」を所与の前提として「持続可能に」と負担増を求める制度設計をしているよう
に思われます。とすれば、女子学生の質問にかこつければ長命の前提が崩れるなら、今のさまざまな見直し
は根拠が崩れてしまうかもしれません。もろもろの制度は平均余命の見通しをどのように組み込んで制度
設計されているのだろうか。
その辺りのことを、あれこれと考えてみたいと思います。
「高齢社会と社会保障制度」考
石毛 鍈子 氏
(元衆議院議員)
日 時 平成28年 2月23日(木)
14時~16時
会 場 町田市民文学館ことばらんど
[地図]
(町田市原町田 4-16-7)
参加費 300円(まちだ雑学大学会員は無料)
いしげ・えいこ
1938年生まれ1965年から町田市在住
「町田市高齢社会対策計画」(1990~1996)の策定に係る
1967~1997飯田女子短大勤務、1996~2005,2009~2012衆議院議員
『季刊 福祉労働』編集長(~1996) NPOによる地域のたすけあい活動等に参加
「福祉のまちを歩く―高齢化社会それぞれの挑戦」 岩波書店1999
「老いて都市に暮らす―町田市高齢者の肉声を生かす」編著 亜紀書房1995
「高齢社会を拓く食事サービス論」共著 お茶の水書房1996
「体あたり介護保険:市民政治家が国会で考えたこと」 現代書館2000
「市民自治講座(後編)」共著 公人社2014-2016その他多数
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<雑学大学からのお知らせ>・・・・・・・・・・・・・・・・・
・3月の講座 「記憶とやる気の脳科学」
相原 威 氏(玉川大学教授)
3月23日(木)14時~16時 町田市民文学館ことばらんど
問い合わせ m.zatugakudai@gmail.com
Tel: 042-745-7608
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