** * まちだ雑学大学 * ****

  講座概要


    
  第29回講座    2012.12.21  まちだボランテイアセンター


      「音楽で17世紀のイタリアを旅してみましよう」   田上芳子 氏


 オペラは、西洋音楽の歴史の中で、自然発生によって生じるこ
とのなかった唯一のジャンルです。つまり、歴史の「落とし子」
だったのです。
 17世紀初頭、ルネッサンスのアカデミズムの残像の中で、イタ
アのフィレンツェのとある伯爵家で、カメラータといわれるメン
バーが、ギリシャ悲劇についての研究を行い、その上演を再現し
ようと試みました。そうして生まれたのが、後に「オペラ」と呼
ばれる西洋音楽の新しいジャンルだったのです。
 カメラータが再現したギリシャ悲劇は、ペーリとカッチーニによる『エウリディーチ
ェ』でした。その様式は、モノディーと呼ばれる単旋律の歌と通奏低音の伴奏を持つも
のであり、この単旋律の歌は、レチタール・カンタンド(歌いながら詩を語る)でうた
われました。その後、レチターレ(詩を語る)はレチタティーボに、カンターレはアリ
アへと分離して発展していくことになります。
 今回の講座では、17世紀を通じてのオペラの発展の模様を、ソプラノ歌手の峰尾さん
の実演で紹介させてもらい、初期のオペラからは、モンテヴェルディの作品を、中期の
オペラからは、チェスティの作品を取り上げてみました。
 また、歌唱を支える通奏低音を講師が演奏し、或いは、映像を用いて、当時の響きを
聴講のみなさんに味わっていただきました。18世紀、19世紀のオペラについては、今後、
機会があれば取り上げたいと思っております。(田上)
 
    

topへ Page Top

© 2011-2012 Machida Zatsugaku. All Rights reserved.
 
inserted by FC2 system