現在、日本酒ライスパワー・ネットワーク(地酒メーカー24社の
グループ)の顧問である大石剛氏は、1986年以来、日本酒業界の総
合的なアドバイザーとして活躍されています。
近年の「日本酒ばなれ」といった日本酒需要の減少傾向に対して、
大石氏が、日本酒業界に行った提言の一つは、アルコールに弱い日
本人の体質に合ったアルコール度数の低い日本酒の製造でした。そ
うした提言に合わせるかのように一ノ蔵によるアルコール度 8%の
『ひめぜん』の開発などがなされました。また、氏は、新たな日本酒需要の拡大が期待される
分野として、スパークリング日本酒にも注目されています。シャンパンの製法である瓶内二次
発酵技術で開発された一ノ蔵の『すず音』は、需要急増のため現在の年間130万本からさらに
200万本への増産体制を整えつつあります。
さらに、大石氏は、日本酒の健康効果について、
適量(一日1~2合)の日本酒を飲むことの効果の
他、化粧品や食品に醸造発酵技術が生かされてい
る例として、勇心酒造の徳山孝氏による「ライス
パワーエキス」の研究開発を紹介されました。
日本酒は、世界中に例をみないほど、複雑で繊
細な技術を要するー「手間暇のかかる」製造過程
をもち、種類も豊富で、その魅力はつきない、と
同時に、日本酒業界の今後は、海外市場の開発に
あると大石氏は語ります。
講座の後、大石氏の薦める素晴らしい日本酒を試飲させていただきました。 |