** * まちだ雑学大学 * ****

  講座概要


    
  第52回講座    2014.11.01  町田市民フォーラム

              モーツァルトの旅と献呈作品  ~ レクチャーコンサート ~
講師 : 野村 満男
演奏 :フルート・・・ 新谷しのぶ  ヴァイオリン・・・ 飯島聡太朗  
ヴァイオリン・ヴィオラ・・・ 鈴木 葉子  ピアノ・チェロ ・・・ 田上茉里花  
チェンバロ・・・ 田上 芳子  

 モーツァルトの天才を育てたのは幼少期の旅ともいわれる。モーツァルト7歳の時
1763年から1766年まで、所謂、「西方大旅行」が行われる。ザルツブルグを
出発し、パリ、ロンドン、オランダ・デン=ハーグの各地で、宮廷の主人たちと出会
い、音楽家たちと出会い、献呈作品を書く。それらは、クラヴィーア作品でありなが
ら、「ヴァイオリン伴奏も可」という不思議なタイトルが付いている。そのクラヴィ
ーア作品は、一体どのような楽器で演奏され、ヴァイオリン、フルート、通奏低音な
どをどのように伴ったのか? 当時の演奏習慣とモーツァルトが献呈した作品の演奏
とは? そして、幼いモーツァルトは、この「西方大旅行」で作曲家としてどのよう
に進化していったのか?
 チェンバロ製作・研究の第一人者である野村満男氏による復元楽器・モーツァルト時代の1757年の英
国モデルのスピネットと、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの演奏をまじえて、これらの謎を解
き明かしていただいた。

(以下、レクチャー内での演奏曲を列挙)
 ・《ピアノ・ソナタ K.545》をピアノの演奏とチェンバロの演奏で比較
 ・ヴィクトワール・ドゥ・フランスに献呈された《ソナタ K.6》をチェンバロの演奏とヴァイオリンの
  伴奏付演奏で比較
 ・モーツァルトに影響を与えたショーベルトの《クラヴサン・ソナタ》とフランスのクープラン一族の
  末裔ジョルヴェ・フランソワ・クープランの《クラヴサン・ソナタ》をチェンバロの演奏で様式の比較
 ・フルート・ソナタとして知られるボップ版《ソナタK.13》のピアノ伴奏での演奏とオリジナル版のク
  ラヴサン・ソナタの演奏との比較
 ・クリスチャン・バッハの《ハープシコード・ソナタOp.5-3》に二つのヴァイオリンとチェロを加えて
  編曲した《チェンバロ協奏曲 K.107》の演奏
 ・《ソナタ K.29》のオリジナル版を演奏して、オランダ到着までに成長したモーツァルトの楽想を比較
 ・野村満男氏が《ピアノ・ソナタ K.545》を《チェンバロ協奏曲 K.107》のようにチェンバロ協奏曲と
  して編曲した《ピアノ・ソナタ K.545をチェンバロ協奏曲風に》の演奏

 レクチャーの冒頭、野村満男氏自身のチェンバロ製作について
のお話とチェンバロの構造と発音原理についての説明があった他、
休憩時間には、ロビーにて、クラヴィコードやピアノとチェンバ
ロの鍵盤の構造モデルの展示もあり、クラヴィコード、ピアノ、
チェンバロの発音原理について、具体的に説明していただいた。
 レクチャーの後には、ミニ・コンサートとして、モーツァルト
の父レオポルトの珍しい曲《三声ソナタ第四番》、ウィーンでの
噂のライバル・サリエリの《四声スケルツォ》、当時の人気作曲
家コジェルフの《チェンバロまたはピアノのための三つのソナタ
―ヴァイオリンとチェロの伴奏付》、そして、モーツァルトの名
曲《フルート四重奏曲ニ長調 K.285》の演奏があった。


動 画

   右画像をクリックすると
   動画が開始されます。
《ピアノ・ソナタ K.545をチェンバロ協奏曲風に》
    

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