** * まちだ雑学大学 * ****

  講座概要


    
  第60回講座    2015.07.18  町田市民フォーラム

             宇宙でのくらしと火星での農業〜地球がつくった人の心 宇宙へ~
 山下雅道 氏


火星は21世紀中に人類が訪れることのできる天体であり、さまざまな
証拠から今でも火星の地下に生命が生きているとみられます。眼力あ
る科学者を火星に送りたいのですが、なにはともあれ生命維持、食料
の確保が必要です。100年後に100人20年規模の探査基地をつくるなら、
排泄物から肥料をつくり二酸化炭素と水から植物のはたらきにより食
料と酸素をつくる宇宙農業の出番となります。日本には江戸と近郊農
村とのあいだでうまく物質の再生循環していた歴史がありますし、高
温好気堆肥菌による安全安心な堆肥つくりの技術もすすんでいます。


 火星でどのような食事をしようかも考えてい
ます。コムギよりはイネが栽培面積がすくなく
てすみます。タンパク補給にはダイズが定評あ
ります。青菜はビタミン補給にかかせません。

エネルギー補給ということではイネよりイモで
す。ジャガイモよりは甘くて消化管のなかの健
康によい食物繊維のおおいサツマイモです。
動物は植物とちがってナトリウムが必要で、食
塩はかかせません。植物食材だけでは コレス
テロールなどの動物性の脂質がとれないので、
カイコのさなぎと内臓ごと食べるドジョウを加えています。人間のたべることができない木
の葉などを食べて育つ昆虫は地球の食料問題の解決にも役立ちます。

火星探査に一度地球を離れると2.5年から3年しないと地球に戻れません。長くて厳しい火星
探査旅行に、探査隊のひとたちの心が はたしてもつだろうかと心配されています。地球の
内部のマントルの対流(プルーム)がアフリカに大地溝帯をつくり、ひときわ好奇心のつよ
いグループが熱帯雨林から大地溝帯のサバンナにでてきてヒトへの進のみちをたどり始めま
した。そこでとられた多産多保護の戦略が子煩悩な男と魅力的な女の心理をつくる遺伝子を
選んだといわれます。火星探査のチームつくりも そのようなヒトの心をもとにするのがよ
いのかもしれません。



    
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