** * まちだ雑学大学 * ****

  講座概要


    
  第107回講座    2019.5.18  町田市民文学館2階大会議室

『ドイツの文化とNS(ナチズム)とその反省』


山本 淳 氏
豊橋技術科学大学名誉教授


 自己紹介と私のドイツ文化との出会い
  私の仕事(教育と研究)
  いくつかの著作、翻訳など
  哲学へ行くまでの道草
  高校時代に触れたドイツの文化
  ドイツの理想化とNS嫌悪の混在という不思議




西ドイツで体験したこと
 下宿のおばさんは単なる下宿のおばさんではなかった
 音楽という教養とその伝統
 貧しい素人造形家兼哲学愛好家との出会い
 ドイツ人の旅行好きと教養としての旅行(面白い例としてのカント)
 学問のスタイルとしての対話とその手本としてのプラトンの対話編
 ヨーロッパのギリシア・ローマ崇拝とその国別の違い
 ドイツのギリシア偏愛とその歴史的原因
 ギリシア偏愛のドイツで修得した学問のスタイルが帰国直後生活を難しくする

NSをめぐる問題点との最初の遭遇
 恩師のハイデッガー批判
 下宿のおばさんの姉さんによるNS擁護
 アルバイト先の主人のSS自慢
 レーベンスボルン生まれの女性の苦しみ
 戦後世代と親たちとの衝突

戦後世代のNS批判を準備した思想・フランクフルト学派
 フランクフルト学派の誕生とその代表的人物
 フランクフルト学派とその周辺の人々のマルクス研究の特色
 マルクスにとってのヘーゲル哲学の重要性と批判点
 フランクフルト学派にとってのフロイトの精神分析
 精神分析が明らかにしたこと:いくつかの重要な概念
 症候としてのNS。社会を一個人とみなしてみる
 NSと病者をダブらせる条件としての共通性=理性的
  なものからの乖離

NSの理性乖離の例を絵画に見る
 NSの個人崇拝の例2点(K. Stauber, H. Lanzinger)
 英雄神話への依拠
 比較のためのA.アルトドルファー作「復活」
 NSのスローガン「血と土地」の例2点(W. Peiner, W. Willrich)
 NSによる農村カルトとアーリア人選民思想と母性崇拝
 NS社会に見られる先祖返り傾向
 理性は脱現実を批判できず逆にNSに追随、その例として人類学

戦後世代の反抗
 世代間闘争
 アンチ権威主義
 理性に感性的なものを取り戻す試み
 ドイツの反省の仕方のまとめ
    
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