第97回講座
「安静にしているヒトの正常な心拍は、メトロノームの様に規則的に打っていると考えられますが、厳密に
は、極めて不規則に変動しています。しかし、 この変動は無秩序な変動ではなく、変動の強さが変動の速さ
を表す周波数(f)に反比例する1/f ゆらぎであることが分かります。 生体内外の種々の環境変化に適応するた
めに、自律神経系の交感神経と副交感神経による心臓血管系の複雑な調節が行われることにより、1/f ゆらぎ
と共に血圧調節や体温調節等の生体リズムがもたらされます。 この不規則な「ゆらぎ」と規則的な「リズム」
が調和したカオス的活動によって、心臓の健康が維持されているものと思われます。
今回は、この「ゆらぎ」と「リズム」を判りやすく佐光興亜さんにお話をしていただきます。
カオスとは宇宙形成以前の万物の無秩序な混沌状態を指していましたが、自然界には必然(規則性)と偶然
(不規則性)が混ざったような現象としての「カオス」が存在することが分かってきました。このカオス的1/f
ゆらぎを送風技術に応用した扇風機やエアコンが開発されました。
身体の中の“ゆらぎ”と“リズム” ―健康な心臓の活動は“規則的”か“カオス的”か?― 佐光 興亜 氏 (東海大学名誉教授)
日 時 8月10日(金) 14時~16時 会 場 町田市民文学館2階大会議室 [地図] (町田市原町田 4-16-7) 参加費 300円(まちだ雑学大学会員は無料) 先着100名とします
さこう おきつぐ 東海大学名誉教授 工学博士 愛媛県出身 玉川学園在住(1970 年~) 東海大学工学部応用理学科卒業後、日本冶金工業(株)入社(1964 年)し1年で退社、東海大学 工学部に奉職、2005 年定年退職。日本冶金工業で従事した発光分光分析(スペクトル解析)手法 を後年の研究テーマである生体情報工学で用いようとは思いもよらない事でした。 学術論文:「心血管系パラメータの1/f ゆらぎと有色パラメトリック雑音をもつ非線形モデル」 (電子情報通信学会論文誌1997 年)「聴覚刺激により誘発される脳の感情応答」(人間工学2008 年) |
<雑学大学からのお知らせ>・・・・・・・・・・・・・・・・・
・9月の講座
「未来を生き抜く子供の学力」
澤井 陽介 氏(国士舘大学体育学部こどもスポーツ教育学科教授)
9月26日(水) 14時~16時 町田市民文学館2F大会議室
問い合わせ m.zatugakudai@gmail.com
Tel: 042-745-7608
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